アリアンロド

「うん、私も丁度そう思っていたところ。何だか気が合うみたいね」
「しっかり者に見えるけどよく誰かと衝突するの。でも私オルウェンのそういうところも大好き」


☆テールナー♀アリアンロド(Arianrod)
むじゃき 物音に敏感
年齢:15歳
身長:160cm
一人称:私
好物:アイリッシュシチュー


クーフーリンのサブリーダー。愛称はアリア。
薬売りから出世した大きな商家の末娘。魔法の才能があり、いつかは国直属の魔術師になる事が夢。

性格は無邪気で天然。思った事を口にしやすく、悪気無しにサラッと辛辣なツッコミが飛び出す。良くも悪くも純粋でマイペース。
どこか不思議な雰囲気を醸し出しており、他人と一定の仲までにはなれるも魂胆が全く読み取れないと称されているが、クーフーリンの面子は例外。
オルウェン相手にはいつもの調子で淡々とした態度を取りつつ、常に彼を気にかけており、オルウェンの様子がおかしい時は真っ先に気付いて助けようとする。
物事への執着心は少ないが、魔術が絡むとかなり積極的に行動する。自身の魔術には並々ならぬプライドを持っており、あまり怒らないアリアは魔術を馬鹿にされると激昂する。
末娘だからか弟か妹に憧れている節があり、転じて子供好き。子供の扱いが上手く、懐かれやすい。

体を動かす事より頭を動かすのを好み、ボードゲームを嗜む。特にフィドヘル(チェスに似たボードゲーム)を好み、これに関してオルウェンは一回も彼女に勝ったことがない。
他にも値引きの交渉が得意。舌戦も出来る方。

魔術の腕自体はそこそこ。得意な魔法は炎魔法と光魔法(光を屈折させて姿を消したりできる)。
一方潜在能力自体は高く、力を最大限に引き出せるようになればマーリンの姉達を超えてしまうくらいの魔術師になると称される程。
それだけでなく、神々が住むとされる「異界」に干渉する能力を持ち、自由に行き来する事が出来る希有な存在である。自在に異界へ行ける力は悪用を恐れてチームメンバー以外には秘密にしている。

杖は普段腰につけたもふもふの中に収納しており、取り出す時にもふもふの摩擦熱で着火、攻撃に使うことができる(手をもふもふに突っ込んで発火させ、火球を作るのもできる)。
何かに魔法をかける場合は先端を対象に打ち付ける必要がある。

前世について

“原初の神族”と呼ばれ、自らの血肉で様々なポケモンを創造したと神話で語られる種族「ミュウ」が前世。当時の名前はアランロド。
オルウェンの前世の人間と強い絆で結ばれていたが、戦乱で人間が命を落としてからは秩序の神であるジガルデの元に身を寄せた。
その後紆余曲折あってアリアンロドに転生をするが、当時の記憶は一切持っていない。かわりに異界に干渉できる力だけはそのまま引き継がれている。

もう少し詳しい前世と家族の話

アリアンロドの昔の姿はアランロドという原初の神族-ミュウ-と呼ばれる神族の一人である。
可憐で飾らない見た目と、可無邪気で子供っぽくいたずら好きな性格の、形容するなら妖精のような彼女は人間に興味を持っており、よく神々の世界から人間とポケモンの住む世界を訪れては人間にちょっかいを出していた。

中でも一人の青年を特に気に入っていた彼女は、よく彼と行動を共にするようになり、神としての加護を与えるようになる。青年もアランロドを気に入り、妹のように可愛がった。
二人の関係は長く続くかに思えたが、ある時部族同士の争いが起こり、青年は争いの中で命を落としてしまう。アランロドの加護では力不足だったのである。
大切な相手を守れなかった自分の力の無さ、青年を失った悲しみでアランロドは塞ぎ込み、神々の世界に帰らず人間とポケモンの世界を彷徨うようになる。そんな亡霊のような彼女に手を差し伸べる者がいた。赤いコアを持つジガルデのミディールである。

自然形態の監視者であり、地下の神であるミディールは感情を失ったアランロドを哀れに感じて保護し、優しく接する。はじめは頑なだったアランロドもミディールの優しさに触れ、徐々に生来の明るさを取り戻していく。
そして傷付いた心も癒され、アランロドとミディールがすっかり打ち解けた頃。二人の仲に嫉妬した青いコアのジガルデがアランロドを魔法の杖で殴り、植物の種に変えてしまう事件が起こる。アランロドを大切に思っていたミディールは自身の片割れの所業に激怒し、絶縁宣言を突きつけて地下に姿を消した。
取り残された青いコアもミディールと事件の発端となったアランロドを激しく憎み、アランロドだった種を荒地に投げ捨てると何処ともなく消え去り、二度と人前に姿を現さなくなる。
荒地に投げ捨てられた種は途方も無い時間をかけてゆっくりと成長し、やがて紫色の蝶に似た花を咲かせる。

その花は誰にも知られることなく、ひっそりと佇んでいたが、ある日マフォクシーの男が発見したその花を摘み取り、家に持ち帰って同種の身重の妻に煎じて飲ませた。体調の優れない妻の為に治癒効果を持つ花を探していた男は、アランロドの花を探している花と間違えたのである。
ともあれ花の効果かそれ以外の理由か女は快復し、月満ちて娘を生む。その子こそ花が胎内の子と融合した子供だったのである。
女神が転生する間に世間では1000年以上の月日が経っており、子供に前世の記憶は残らなかった。ただ神としての力である神々の世界を行き来できる力と、古代の文字が読める知識だけがその身に残った。

アリアンロドと名付けられた彼女は、親共々真実を知らずすくすくと成長する。
ところがアリアが物心つく前に事故で両親は他界。彼女は父親の弟家族に養子として引き取られ、実の子として他の兄弟と共に育てられ、今に至るのだった。

アリアンロドは本来ならば叔父である父親、本来ならば従兄弟である兄弟を実の家族と思い込んでいる。
結局叔父家族が本当のことを言い出せずに現在まで来てしまったのである。
今はまだ語られることはないが、数年後にオルウェンと婚約した時にようやくアリアンロドは真実を聞かされることになる。