イサドラ

「えっと、これは190年ちょっと生きてきた経験談なんですけど……わたしだったらもう少し上手く隠そうとしますね」
「本当はダンサーになりたかったんだよ!?探偵はあくまでいっときの職業であって……」
「意外でしょう?わたし、踊る他に戦うことも大好きなの」


オンバーン♀イサドラ(Isadora)
年齢:189歳(見た目20代前半~半ばくらい)
身長:164cm
一人称:わたし
好物:ローズティー

ガラルの国営機関「魔妖局」の調査員にして「吸血鬼探偵」の異名を持つ探偵。
持ち前のテレパシー能力でこれまでに数々の難事件を解決しており、その功績はウィンドンで高く評価されている。

控えめで心優しく、自分のことより相手や周囲を優先してしまう程に自己主張をあまり行わない性格。さりげなく相手をサポートしたり、何かを地道に積み重ねることが得意で、それが探偵業にも活かされている。
自分より年下の相手に対しても中々強く言えないところがあり、普段は吸血鬼としての威厳はあまりない。
波乱に満ちた過去を送ったことで問題を自分の中に抱え込みがちなところがあり、端から見れば潰れかねない存在にも見えるが、定期的に踊り、戦うことで鬱屈を発散させている。
踊る事も戦うことも趣味であり、これらに没頭する時は打って変わって生き生きとし、目が爛々と輝く。
特にバトルの時は血の気が多くなり、普段とのギャップが激しくなる。暗闇・夜においては種族本来の力と吸血鬼としての力の相乗効果で強さが跳ね上がる。

小さい頃から踊りが大好きで、今もダンサーとして名声を得る夢は諦めていない。
探偵としての仕事を褒められる事も嬉しいが、それ以上に踊りを評価される事を喜びとしており、本心から踊りを褒めてくれる相手の顔は絶対に忘れない。
昔は前衛的と見向きされなかった踊りも、現代においては個性の一つとして認められるようになり、それがたまらなく嬉しく思っている。
踊りで培った運動神経はバトルでも発揮され、戦闘も踊るような身のこなしで相手に攻撃を仕掛ける。

ピーターとメアリは直属の部下だが、二人とも控えめでお人好しな性格のイサドラを普段からいじり倒している。
それでもある程度の忠義はあり、イサドラのピンチには駆けつけてくれる心強い存在。
特にメアリはプライベートでも仲が良く、探偵業の助手兼親友として日頃からおおいに頼っている。
好きなものは音楽(ジャズ、クラシック)を聴く事、踊る事、バラ。

テレパシー能力と探偵業

イサドラのテレパシー能力は、元々は他人の感情がなんとなく分かる程度だったが、吸血鬼になった事で能力が強化され、意識を向けた相手の心を読み取ることが可能となった。
対象は表層心理(相手が「今」思っている内容のみ)に限られ、特定の情報や記憶を読み取りたい場合は話術・暗示等で思考を誘導する必要がある。
能力は受信に特化しており、相手の心に語りかける送信はできない。
能力上、心を閉ざしている相手、思考回路が支離滅裂な相手には無力と化す。

母親もテレパシー能力使いで、能力に関しては幼い頃から「公に明かすと危険」と教え込まれて口止めされている。そのため吸血鬼になる前から親しい相手以外には能力を隠すようにしている。
テレパシー能力を知る者はメアリの他にウォルターがいる。

イサドラ自身の推理力はずば抜けて高い訳ではない。
それでも名探偵として活躍できるのはひとえに「前もって犯人が分かってしまう」からである(イメージとしては倒叙ミステリーに近い)。
そのため推理法も犯人から読み取った犯行のビジョンから逆算し、アリバイを崩していくスタイルをとる。最初から答えが分かるので、過程を突き詰めれば良いのである。
推理の過程も証拠を集めるだけ集めて矛盾を探していくのが主で、空白部分は「自分ならどうするか」と相手の視点に立って考えて補う。

元々探偵になるつもりはなく、偶然現場に居合わせたり、自身が犯人に間違われたりと受動的に事件に巻き込まれるうちに依頼が舞い込んでくることになり、なし崩し的に探偵になっていた。今となっては「吸血鬼探偵」が異名となっている。
魔妖局としても保護しっぱなしよりある程度仕事してくれた方が有難いと感じているため、彼女の探偵活動を正式に業務に組み込んでいる。おかげでダンサーの夢が遠ざかっていることにイサドラ自身はやきもきしている。
とは言え引き受けた仕事をこなそうという意志は強く、探偵業を営むにあたり、ミステリー小説やサスペンス小説を愛読するようになっている。

過去について

カロスと少し離れた島国のハーフとして生まれ、カロス出身のダンサーだった母親の元で踊りを学んで育つ。
独り立ちした後も当然のようにダンサーとなるが、当時としては前衛的すぎるダンスが誰にも見向きされず、鳴かず飛ばずの評判だった。
そんな毎日に苦悩していたある日、ルスヴン(☆サニゴーン♂・シノノメの父)と名乗る富豪が彼女の才能を気に入り、高く評価してくれるようになる。自分の踊りを真っ当に評価してくれる男にイサドラは好意を持ち、テレパシーを使う事を忘れてすっかり彼と親密になっていく。
そして寝室に招かれて共にする最中豹変したルスヴンの手で血を吸われるも、抵抗した事で命を落とす直前に吸血鬼に変貌する。
それによってルスヴンから狙われる事となり、各地を転々とした後にガラルに逃げ込み、国営機関の魔妖局に保護されることとなった。
ルスヴンに裏切られたことはトラウマとなり、他人が思っている事を把握しないと安心できなくなってしまったためテレパシー能力を必要以上に使いがち。
特にピーターのような本心が読めない相手に対しては乱用する節があり、相手に察されないよういつも気を張っている。